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2007年11月 3日 (土)

番外編 : 男気と狂気が造った街倉敷

やってきました倉敷。やってきました大原美術館の街。
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以前池波正太郎のエッセイで、「金持ちというのはこういう金の使い方をしなくてはいけない。」と語られていた大原美術館。ずっと行ってみたかったのだ。

大原美術館エントランス。とても素敵です。
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入り口には狛犬ではなく、二体のロダンの像。
聖ヨハネと
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カレーの市民
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ブロンズって興味がなかったのだけど、これはびしびしとパワーが伝わってくる感じ。

ロダンって、『考える人』を作っていたときの助手と、不倫して同棲して捨てて妻んとこに戻ったんだよね。中にある『ロダン夫人の像』をワイドショー的興味で眺めるりきまる。
「おくさーん、たいへんでしたなあー。。」(コラコラ)

留学がかなわない日本の画学生に、一級の西洋絵画を見せてあげたい。
ただその一身で資財を投じて集められたコレクションの数々。バラエティ豊かでとても楽しめる。

有名な作家のものよりも、日本では知名度の低い画家の絵が特に気に入ったりした。
絵葉書の撮影なので、全然イマイチなのですが。。。
シャルル・コッテの『セコビアの夕景』。
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街を染め上げる夕暮れの赤い陽。大きな大きな夕暮れの絵の前でなんどもたたずんだ。
1905年に、画家が、この街の人が美しいと感じた夕景を、りきまるも今共有している。
こんな感動も絵を見る楽しみの一つだ。

セガンティーニのアルプスの真昼。
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セガンティーニの鮮烈な青空は、パレットで色を混ぜず、直接カンバスにいろんなブルーの絵の具を置いて表現するのだそうだ。
人間の幸せって、がつがつ働いて、人よりえらくなることより、こんなぽかぽかと晴れた気持ちのいい昼に、こんな場所でのんびりすることにあったりしてと思う。

7枚、横11メートルのベルギー象徴派の画家フレデリックの、『万有は死に帰す。されど神の愛は万有をして再び蘇らしめん』。今まで宗教画にあまり興味がなかったが、見た瞬間、心をぎゅっとつかまれるような感覚を覚えた。
左は死屍累々の地獄絵。真ん中には刃に倒れる少女。右は神による復活、ばらに包まれ復活した人々の楽園。

フレデリックは娘を惨殺されたあと、25年の歳月をかけてこの絵を描いた。真ん中の少女は彼の娘である。お嬢さんの鎮魂のため、彼自身のため、それだけの月日がかかったのだろう。

彼はこの絵を当初売りたがらなかったが、熱心にくどかれ手放すことを決意した。
後の調査で、後からバラの花3輪を書き足していたことがわかった。日本に旅立つ絵と娘へのはなむけと惜別の思いからだったのかもしれない。

美術館が建てられたのは、昭和5年。昭和恐慌の嵐吹き荒れる只中だった。
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オーナーである大原孫三郎氏が、絵画の収集活動後早世した画家小島虎次郎の悲願を実現するために建設した美術館だ。
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その後大原美術館は、戦中戦後を通じて沢山の人々に感動を与え、倉敷の古い町並みにしっとりとなじんてそこにあった。大原がなければ、倉敷はごく普通の地方都市として、普通に開発されていたのであろう。

まだ日本に西洋絵画などなかった時代、おそらく今のお金で何百億円もかけ、スポンサーと画家の二人が絵をひたすら収集。そして美術館建設。
二人の男の男気だけではない、狂気に近い熱狂がこの街を造り、この街を守ったのである。
池波正太郎の言葉を再び思い出す。

この街にはそのほかにも素敵なエピソードが一杯なんだよね。それはまた今度。
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超駆け足の倉敷散歩。またゆっくり訪れたいな。日本って素敵だねえー。。。
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