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2006年3月 6日 (月)

番外編:ふるさとのふうけい vol.1

りきまるは虎ノ門育ちである。

祖母三人兄弟、母三人兄弟、りきまる三人兄弟、みな同じ小学校を卒業した。
虎ノ門、神谷町界隈は、私が子供の頃、中古車やと骨董品やが多い、普通の街として存在していた。長屋が軒を連ね、商店街もあった。私や弟の同級生の多くは、商家の家の子。サラリーマンの子供は殆どいなかった。

ふるさとの風景が一変したのは、バブルの頃だった。
一坪数千万円という地価がつき、地上げ騒動は死人や不審火を引き起こした。まず、銭湯がなくなった。地上げ屋が最初に狙ったのが銭湯だったから。このあたりの住宅は、お風呂のない棟割長屋が多かったから。そして次に商店が次々といなくなってしまった。

そしてわずかに残った、干上がりかけた水溜りのようなふるさとも、今まさに消えようとしている。汐止あたりからくるマッカーサー道路建設が正式に決まり、周囲の昭和の風景が次々になくなっていく。

うかつにもそれに気がついたのは、今日だった。久々の通院で虎ノ門に行き、子供の頃から通った書店がなくなっているのに気づいた。
これからは時々、自分のために、ふるさとの消えゆく景色を記録しておこうと思う。
すみません。時々記録するこのシリーズは、とても個人的な、りきまるのふるさとへの鎮魂歌です。

P1030948 子供の頃から週に何度も通った本屋さん。閉店です。
40歳過ぎてこの店に入り、本棚の割り振り、そしてレジのお姉さんまでもが同じ事に気づき、本当にびっくりした。
ここで本を選んでいると、小・中・高・大・社会人と、それぞれの時代の自分が横を通り過ぎていくような錯覚に陥っていたのにな。。。

P1030950結構雑誌にも載っているおそばやさん。自民党の事務所が近かったので、有名議員も良く見た。でもりきまる&家族はいっかいもはいったことないなあ。
この裏の一帯は、大規模な地上げが進行中。隣は同級生のお肉屋さん。カレーの日はここでよく肉を買った。今は閉店。斜め前はキッコーマンなどが入るビル。そこにはテイチクレコード本社があった。その裏は、時々遊びに行った友人宅。しもたや風のいいおうちだった。


P1030951 りきまる家族が全員通った歯科医院。健在。小学校の時治療した奥歯も今もなお健在。30年以上現役使用に耐えるとは、いい仕事だったんだねー。

P1030958 芝教会。昔と変わらぬたたずまい。
ここは由緒正は教会で、結構著名な人も訪れるらしいよ。                  
                        
                                    
                                
                             
        

P1030954
印鑑やさん。のぞくと今でもおじさんが仕事をしているような気がするノダ。






P1030952 このあたりでは一番古い呉服屋さん。毎週火曜の夜にやっているここの着付け教室に行きたいんだよね。江戸前の着付けを教えてくれるな、きっと。
このおかみさんは近くにあるりきまるのひいおばあさんちとも知り合い。りき母がここで名古屋帯を買ったらおかみさんに、「あんたんちのおばあさん、ここいらでは自力でお家を建て直したただ一人の人だよ」と褒められたそうだ。いつの時代って、大戦後じゃなく、関東大震災後のことを言っていたのだ。おどろき。
でもそれ以上に、母がこの店に家族といったことなんかないのに、母がどこのうちの人間か知っていたのも驚き。

ま、ここいらはどこもそんな感じだ。一緒に買い物行ったことないのに、八百屋に母が行くと、「さっき娘さんが買い物してたよ」と言われたりする。ここに住む人間にとっては、オフィス街ではなく、ただの『村』なのだ。


東京は、いつの時代も日本中から集まる人々の夢を受け止める場所だった。だから魅力的なのだ。だからいろんなものがなくなるのも仕方ないんだ。ずっとそう思ってきた。
でもここで新しいものを作る人達にお願いしたいな。
りきまるの大切なふるさとを、大切に開発してください。失ったものを悲しまないですむほど素敵な街を作ってくださいね。

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コメント

ふるさとのふうけい りきまるさんと一緒にタイムスリップした気持ちで読ませていただきました。
8ミリ映画を観ているみたいな感じです。カラー写真なのにモノクロやセピアに見えてきて、ふしぎだなぁと思いました。

わたしのすきなものシリーズ がupされているのを発見。 ! !! !!! な・な・なんという偶然。
りきまるさ~ん、私も島田ゆかさん好きなんっスよーo(>_<)o 
5年前、たいせつな友人に贈る絵本を探しにクレヨンハウスに行ったらお店の方が紹介してくれて。
もうバムケロの世界にトリーップしちゃいました。
部屋の隅っこのほうまで見ちゃいますよね、誰がいるかなーとか、バスグッズかわいいなーとか。 
といっても1冊も手元になく、読みたくなったら図書館で借りる、ということを繰り返しています。 好き過ぎる本って、1冊ずつ何かエピソードとともに買いたいなーっていう思いがあって、そうこうしているうちにタイミングを逃して今に至ってるんですけど(^^;)結局どーんと大人買いをしてしまいそうです、、。

あーなんかまた熱くなってしまいました。
失礼いたしました・・・

投稿: のがみ | 2006年3月13日 (月) 12時00分

りきまるさん、たびたびです!
虎ノ門、神谷町育ちっすか~!いいですね!
私、神谷町で3年間働いていました。大好き
です、この辺り。城山ヒルズ、オオクラとか、
パレスとかホテルがありながら、ちょっとした
裏には古い喫茶店、お店が沢山あって、
不思議な所ですよね。骨董品屋さん、刃物屋
さん、ちょっと歩けば大使館なんぞあったり。
面白いところですよね。
 私の実家辺りも長屋があって楽しかった~..
でも今は全部アパートになってしまって、とても
残念で....でも、仕方ない事なのでしょうね;
 これからもup楽しみにしてますね♪
 


投稿: piyoko | 2006年3月13日 (月) 22時40分

ふるさとが壊されていくって寂しいですよね。街並みだけでなく、人付き合いまでもが徐々になくなっていってしまう怖さも感じます。
良い意味での村社会が無くなってしまったのは東京だけではないと思います。大同小異、日本全体がこういう風潮にあることが犯罪の増加にも繋がってしまっているんでしょうね。
自分のルーツに感謝しつつ、新しいシステムに進化させるのってパワーがいることだと思います。
一人ひとりが、誠意をもって取り組めば何かを変えられるのかもしれませんね。

投稿: クルクルしんちゃん | 2006年3月13日 (月) 23時40分

のがみさん、
そーですか、島田さんのファンなんですね!
この作家さんの芸の細かさに感動できるのは、きっと大人の特権だと思います。子供にゃわかりませんて。
そんな事言って、ばりばり大人買いしてしまったりきまるですが。。
おたっきーですが、バムケロシリーズで単なる背景として出ていた雑貨やの商品『ねこかるた』が、ガラゴシリーズでおみやげになっていたり、そんなこんなを見つけるたびに、「いや~ん、嬉しい~」とおたくにひたる私です。

piyokoさん、
ふるさとは、遠きにありて、思うもの
この言葉、今こそ本気で感じ入りますね。
私も20代、実家から通っていた頃は、別に虎ノ門に興味も何もなかったんですよ。よそで遊んでばかりいましたからね。
でも40過ぎてたまに通りかかると、なんた味わいのある街だったんだろうと実感です。
糟糠の妻の魅力に改めて気づく初老の夫ってとこでしょうかしら。。(^^;)
ま、気づいただけいいと思うのですけど。。。ははは。

クルクルしんちゃんさん、
日本人もしくはアジア人ってきっと、自分のふるさとに関する意識やこだわりが低いのかもって思います。中国でも、素敵な街並みが近代化・社会発展という名の下に、ばりばり破壊されているのを見ましたから。
これってヨーロッパではないことですよね。きっと。
私たちアジア人は、近代化に遅れまいと、わが身削って生きてきたのかもしれません。
それでもいいのですが、自分達が今の生活を手に入れるために、何を犠牲にしてきたかをちゃんと覚えておく必要はあるのかなーとか思っちゃったりして。


投稿: りきまる | 2006年3月14日 (火) 01時41分

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